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アリアの小話。

過去~現在


それはボクにぴったりな言葉。

 


人の命を奪うことでまるでおまけのように付いてくる罪悪感。
厭わなかったボクにはつい最近まで必要なかったもの。

血を滾らせろ
牙をむけ
喰らいついて全てを支配せよ

まるで呪だ。
幼かった頃はまだその言葉がどういう意味を持つのか、理解出来なかった。
理解しようにもどうする事も出来ず、ただそれが自分に向けられた使命なんだろうと思う程度。
周りは周りでその言葉を否定する者は誰一人居ない。
元より否定する者など、この部族には存在する筈がない。
そしてその意味に気づいた頃には、既に呑み込まれていたボクが居る。
ボク自身一番失いたくないものを失い、同時に終焉を破壊する力を手に入れた時に。

失う事を恐れるのは己の弱みを相手に見せる事と同意義だと父に言われた。

失う事を恐れるな
ただひたすら奪い続けろ
奪うことの快感を知れ
宿敵の蛮族に隙を見せるな

これは、誇りという皮を被った宿敵に勝る為だけに用意された言葉。
獣には元より言葉など必要ない。
己の身体、己の血、そして己の強さを相手にぶつけるだけ。
ぶつけ、抉り、喰らいつく。
そうした先に相手の敗北己の勝利が在る。
狂乱。狂い咲く獣の血。

今でもその血は確かにボクの身体に流れている。
獣として生き続け命尽きるまで、血は駆り立て続けるだろう。

血を滾らせろ
牙をむけ
喰らいついて全てを支配せよ

 

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